雲子春秋

「うんししゅんじゅう」です♡ 三国志とか好きです♡

中国史

『キングダム』李信の子孫は?

ついにあの人気漫画キングダムの映画が公開されましたね! https://kingdom-the-movie.jp/ これから数日は、映画公開に乗じてテレビやインターネットでキングダムや中国戦国時代の特集なんかが増えてくるかもしれませんね。 キングダムは楽しく読んでいるけ…

牛金の出自と子孫

『元和姓纂』巻五 牛 宋微氏之後、司寇牛父、子孫以王父字為氏。戦国時趙有牛翦、秦有牛缺。 【隴西】漢牛邯為護羌校尉、居隴西。又有牛崇、牛嘉。魏有牛金。 (中略) 【安定】状云牛金之後、逃難改牢氏、又改為遼氏。裔孫後周工部尚書、臨芤公遼允、復姓牛…

都郷その2

昨日ひよこさんが次のように言っていた。 window.twttr = (function(d, s, id) { var js, fjs = d.getElementsByTagName(s)[0], t = window.twttr || {}; if (d.getElementById(id)) return t; js = d.createElement(s); js.id = id; js.src = "https://plat…

都郷

『日知録』巻二十二 都郷 集古録、宋宗愨母夫人墓誌「涅陽縣都郷安衆里人。」又云「窆于秣陵縣都郷石泉里。」都郷之制、前史不載。按「都郷」、蓋即今之「坊厢」也。漢濟陰太守孟郁堯廟碑「成陽仲氏屬都郷高相里。」 顧炎武先生が都郷について次のように述べ…

兵馬俑展見てきた

昨日、東京国立博物館で催されている始皇帝と大兵馬俑を見てきた。 兵馬俑だけでなく当時の武器や日用品などの道具類の実物が見られ、史書を読むときにより一層イメージしやすくなったと思う。 また始皇帝陵造営労働者の墓誌の分析により判明した、土器や兵…

姜維と閻圃の子孫

『太平広記』画二 所引『大唐新語』 閻立本為右丞相,姜恪以邊將立功為左相。又以年飢,放國子學生歸,又限令史通一經。時人為之語曰。左相宣威沙漠,右相馳譽丹青。三舘學生放散。五臺令史明經。 『新唐書』巻一百 閻立徳、立本伝 既輔政,但以應務俗材,無…

姜維州

俗業に追われるあまり三国志への没入を忘れ早三年 行きかう人に同好の士なく、ただいたずらに年を重ねていくばかり 思い立っては一歩にして躓き、二歩歩いては三歩下がる有様 そんな折、遠方の師友の言葉は、我が心に活を与え、惰性を揺るがすのであった。 …

段氏

『日知録』巻二十三、氏族相伝之訛 段氏。後漢書:「段熲其出鄭共叔段。」古人無以祖父名為氏者、凡若此類、皆不通之説。 按段氏当出自段干。史記:「老子之子名宗、宗為魏将、封於段干。」 魏世家有段干木・段干子、田完世家有段干明。 顧炎武さんが段氏の…

中国史全文検索系サイト、三国時代関係用

知ってる人は多いけど、もしかしたら知らない人がいるかもしれないので。 新漢籍全文資料庫 http://hanchi.ihp.sinica.edu.tw/ihp/hanji.htm 「免費使用」をクリック。 あとは検索ボックスに検索したい文字をいれるだけ。 おもに正史が検索できる。 三国演義…

李信と斉&楚

まーたリサイクル更新。*1 『太平御覧』巻四百三十七、人事部七十八所引『厳尤三将論』 王翦為秦將滅燕,燕王喜奔逃東夷。秦王曰:「齊楚何先?」李信曰:「楚地廣,齊地狹,楚人勇,齊人怯,請先從事於易。」*2 戦国末期、王翦が燕を滅ぼした。 秦王(後の…

始皇帝、日本に起つ!

http://dash.shueisha.co.jp/feature/1301/ 始皇帝もののラノベが発売されたので読んでみた。 以下微妙にネタバレを含むかも知れないのでこれから読もうと思うかたは気をつけてください。 ワガママ始皇帝 毒舌ならぬ薬舌(自称)の李斯 全裸の変態蒙恬 の三…

古今人表

『漢書』には古今人表というものがある。 伝説上の帝王から戦国時代くらいまでの千数百人の人物を 上上(聖人)、上中(仁人)、上下(智人)、中上、中中、中下、下上、下中、下下(愚人)の九等にわけたものだ。 当時の人物格付け表。 とても面白いのだが…

後漢〜三国・晋関係史籍散佚表1−2、正史類三国志編

昨日の企画の続き。 以下昨日の凡例コピペ。 用いるのは『隋書』・『旧唐書』・『新唐書』・『宋史』・『清史稿』の経籍志とか芸文志。 各王朝の時代の間隔が近すぎたり離れすぎたりしてるが史料の関係上しゃーなし。 『隋書経籍志詳攷』をもとにしつつ『清…

後漢〜三国・晋関係史籍散佚表1−1、正史類後漢編

時代ごとに後漢〜三国・晋関係史籍が何巻確認されていたかを表にして、いつの時点で散佚したかを確認してみようという企画。 用いるのは『隋書』・『旧唐書』・『新唐書』・『宋史』・『清史稿』の経籍志とか芸文志。 各王朝の時代の間隔が近すぎたり離れす…

公子→公孫→?

姓と氏、現代ではあまり区別しないが、もともとは別のものであった。 日本ではどのように区別するかはさておいて、中国でのお話。 血族集団ごとに「姓」を共有していた。 姓の例としては、子、風、媯……などなどがある。 その後、集団が大きくなると、集団を…

『建康実録』を読んで呉の歴史を復習してみんとす。先秦〜漢

はじめに 私は壊滅的に呉を知らない。 何してたかも、誰がいたかも。 知っているのは関羽の後ろを襲った♂ことくらい。 呉のイメージとしては「陸瑁ってなんで伝たってんだよ」って感じかな。 なので唐の許嵩による呉地方(建康)の通史チックな書物『建康実…

列子の来歴と王氏と傅氏

列子は春秋戦国時代の列御寇の著書とされるものである。 杞憂や朝三暮四の出典がこれである。 東晋の張湛が序文をつけた。この序には列子の来歴以外にも面白いことが載っている。 『列子』序 湛聞之先父。曰、吾先君與劉正與・傅穎根、皆王氏之甥也。竝少遊…

書物は焚書をいかに乗り越えたか

「焚書坑儒」という四字熟語がある。「焚書」は書物を焼くこと、「坑儒」は儒者を穴埋めにすること。 秦の始皇帝が思想統一のために行った政策が由来である。 この言葉は現代日本においても人口に膾炙しており、いまだに表現規制や思想弾圧が起きた際に目に…

エドガー・アラン・ポーと捜神記

黄泉がえり―雲子春秋 ここで昔取り上げた『捜神記』からの女の再生誕。 『太平広記』巻三百七十五 再生一 引く『捜神記』 晉武帝時,河間有男女相絓,許相配適。而男從軍,積年不歸。女家更以適人。女不願行,父母逼之而去。尋病死。其夫戍還,問女所在。其…

梁冀の末裔

『水経注疏』巻二 河水二 『十三州志』曰:大河在金城北門、東流、有梁泉注之、泉出縣之南山、按耆舊言:梁暉、字始娥、漢大將軍梁冀後、冀誅、入羌。後其祖父為羌所推為渠帥、而居此城。土荒民亂、暉將移居枹罕、出頓此山、為群羌圍迫、無水。暉以所執榆鞭…

黄泉がえり

『太平広記』巻三百七十五 再生一 引く『捜神記』 晉武帝時,河間有男女相絓,許相配適。而男從軍,積年不歸。女家更以適人。女不願行,父母逼之而去。尋病死。其夫戍還,問女所在。其家具説之。乃至冢,欲哭之敘哀,而不勝情。遂發冢開棺,女即蘇活。因負還…

眠れる墓の美女

『太平広記』巻第三百七十五 再生一 引『神異録』 竇建徳,常發鄴中一墓,無他物。開棺,見婦人,顏色如生,姿容絶麗,可年二十余。衣物形制,非近世者。候之,似有氣息。乃收還軍養之,三日而生,能言。云:“我魏文帝宮人,隨甄皇后在鄴,死葬於此。命當更…

酸棗県の由来

後漢末の反董卓連合の結集地として有名な酸棗 その名の由来が最強レベルの統率力と変態レベルの知識量をもつ超万能戦士応劭さんの『風俗通』には次のようにある。 『太平寰宇記』巻二 東京下 酸棗県条の引く『風俗通』 酸棗以棘名邦蓋以地多棗而立名 酸棗は…

董卓祠

『北齊書』巻二十三 魏蘭根伝 魏蘭根 ,鉅鹿下曲陽人也。父伯成,魏太山太守。蘭根身長八尺,儀貌奇偉,汎覽羣書,誦左氏傳、周易,機警有識悟。起家北海王國侍郎,歷定州長流參軍。丁母憂,居喪有孝稱。將葬常山郡境,先有董卓祠,祠有柏樹。蘭根以卓凶逆無…

壊された鄧艾祠

前回の記事で次のようなコメントをいただいた。 kamikami3594 2012/01/24 23:16 京口って鄧艾の出身地より東だなあ…。 鄧艾廟のことについて、コーエーの三國志6の武将ファイルに詳しい記述があった。昔の中国では蜀のちでさえ蜀の武将の廟より多かったけど…

お前も痔か〜!しぃっ!先輩声大きいッスよ!

『古今図書集成』閨媛典巻五十七 引『貴溪縣志』 姚氏,畢侃卿繼室,年十六歸侃卿,會侃卿病痔,醫者謂:飲人血可愈。姚日割膚取血進之(後略) 明代、畢侃卿という人の後妻姚氏は十六で畢侃卿に嫁いだ。 畢侃卿は痔に悩んでいたが、医者は、人の血液を飲め…

日本寄語について

以前取り上げて評判がよかった日本寄語。 どうやら明の薛俊の『日本国考略』の一部らしい。 早稲田の古典籍データベースで『日本国考略』は手に入る。 http://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/ru03/ru03_03352/index.html 寄語は29ページから。

最強攻撃、相手は死ぬ

『古今図書集成』經濟彙編戎政典 攻守諸器部 彙考 《煮人糞》 煮人糞至滾,臨時用小薄罐盛,以竹葉縛罐口,約之以擲,罐破糞出,著人肉爛痛至死。 煮人糞:その名の通り人糞を煮て、小さな薄い器に入れ、竹の葉でふたをする。 これを投げると、器が破裂しう…

律の制定

廣瀬薫雄『秦漢律令研究』(汲古書院、2010/3)を読んでいる。 秦漢律令学会に波紋を広げているこの書、とっても面白い、興味深い。 今回は主に「第四章 秦漢時代の律の基本的特徴について」から律とは何か、その制定手続きはどのようであったか、をとりあげ…

字書に載ってる謎校尉

『康煕字典』戌集上 金字部 銓 註 又姓。漢捕羌校尉銓徴。 『康煕字典』によれば、漢には捕羌校尉の銓徴という人がいたという。 ところが正史の類を検索してもこんな人は見られない。 しかも捕羌校尉という校尉も謎。護羌校尉ならわかるけど。 困った時の『…