雲子春秋

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後漢〜三国・晋関係史籍散佚表1−1、正史類後漢編

時代ごとに後漢〜三国・晋関係史籍が何巻確認されていたかを表にして、いつの時点で散佚したかを確認してみようという企画。
用いるのは『隋書』・『旧唐書』・『新唐書』・『宋史』・『清史稿』の経籍志とか芸文志。
各王朝の時代の間隔が近すぎたり離れすぎたりしてるが史料の関係上しゃーなし。
『隋書経籍志詳攷』をもとにしつつ『清史稿』芸文志の記述をいれた。
『隋書経籍志詳攷』があればこの記事読む必要ない。
詳攷は『通志』とか『文献通考』とか、日本の目録なんかからも収録しててもっと詳しい。


亡は散佚、×は記述無し、(輯)は輯本(主に他の書物に引用されたのを集めたもの)をあらわす。
×も(輯)も実質散佚ということになるものが多いと思われ。
今回は正史類の後漢編、ちなみに類別は隋書経籍志に拠る。
原書はもともとの巻数。
もとの巻数が書いてない場合は隋書の巻数に従ったので誤ってる場合があるかも。

書名 著者 原書 隋書 旧唐書 新唐書 宋史 清史稿
東観漢記 劉珍ら 一百四十三巻 一百四十三巻 一百二十七巻 一百二十六巻 八巻 二十四巻
後漢書 謝承 一百余巻 一百三十巻 一百三十三巻 一百三十巻 × 五巻(輯)*1
後漢 薛瑩 一百巻 六十五巻 一百巻 一百巻 × 一巻(輯)
漢書 司馬彪 約八十篇 八十三巻 八十三巻 八十三巻 三十巻*2 ×
後漢書 華嶠 九十七巻 十七巻 三十一巻 三十一巻 × 一巻(輯)
後漢書 謝沈 一百二十二巻 八十五巻 一百二巻 一百二巻 × 一巻(輯)
後漢南記 張瑩 五十五巻 四十五巻 南紀五十八巻 南紀五十八巻 × ×
後漢書 袁山松 一百巻 九十五巻 一百二巻 一百一巻 × 一巻(輯)
後漢書 范曄 九十七巻 九十七巻 九十二巻*3 九十二巻 九十巻*4 注釈書がたくさん
後漢書 范曄撰・劉昭注 一百八十巻 一百二十五巻 五十八巻 五十八巻*5 ×*6 ×*7
後漢書 劉芳 一巻 一巻 × 一巻 × ×
范漢音訓 臧競 三巻 三巻 後漢書音三巻 後漢書音三巻 × ×
范漢音 蕭該 三巻 三巻 後漢書音三巻 後漢書音三巻 × ×
後漢書讃論 范曄 五巻? 四巻 後漢書論賛五巻 後漢書論賛五巻 × ×
漢書 范曄 十八巻 十八巻 十三巻 十三巻 × ×
後漢書 蕭子顕 一百巻 × × × ×
後漢 王韶 二百巻 × × × ×
後漢 韋闡 二巻 × × × ×
後漢書音義 韋機 二十七巻 × 二十七巻 二十七巻 × ×
後漢書 劉義慶 五十八巻 × 五十八巻 五十八巻 × ×


後代になって巻数が増えてるものもある。
散佚したと思ったらどこかでみつかったとかなのだろう。
ていうか范曄後漢オタクすぎるだろwww
後漢関係何冊書いてんだよwww


ちなみに×で
東観漢記の輯本と八家後漢書(ここに出てる人物だと謝承・薛瑩・華嶠・司馬彪・謝沈・袁山松の後漢書)の輯本がテキスト化されてるよ。趙作権侵害データのようなので削除・詳細はコメント欄で

*1:捕逸

*2:范曄『後漢書』に志三十巻が付属

*3:旧唐書新唐書ともに章懐太子李賢注のものは一百巻

*4:章懐太子李賢注

*5:劉煕注、一百二十二巻

*6:北宋で 上の後漢書と統合

*7:上の後漢書と統合、現行『後漢書』へ