雲子春秋

「うんししゅんじゅう」です♡ 三国志とか好きです♡

黄泉がえり

『太平広記』巻三百七十五 再生一 引く『捜神記』
武帝時,河間有男女相絓,許相配適。而男從軍,積年不歸。女家更以適人。女不願行,父母逼之而去。尋病死。其夫戍還,問女所在。其家具説之。乃至冢,欲哭之敘哀,而不勝情。遂發冢開棺,女即蘇活。因負還家,將養平復。後夫聞,乃詣官爭之。郡縣不能決,以讞廷尉。奏以精誠之至,感於天地,故死而更生。是非常事,不得以常理斷,請還開棺者。

晋の武帝期の話。
河間にとても仲むつまじい男女がいた。
あるとき男は従軍し、それから長年帰ってこなかった。女の家では男が死んだと思い女を再婚させようとした。
女は拒むも無理矢理嫁がされ、病死してしまった。


その後死んだと思われていた男が帰還し、女の所在を尋ねた。
女の家族は諸々説明し、男は女の墓に行った。
男は深く泣き、悲しみに暮れた。それだけでなく、情にたえず墓を掘り起こして棺を開いた。
すると、なんということでしょう、女は生き返った。
男は連れ帰り、回復させようとした。


後夫はそれを知り、役所に訴えた。(おそらく、自分の所に取り戻そうとしたのであろう。)
郡県では判断出来なかったため、廷尉にこの案件を送ることとし、次のように奏上した。
「誠実な心が天地を感動させたため死者が蘇ったのです。
これは普通ではないことなので、普通の判断はできません、どうか女は棺を開いた男(前夫)に帰してあげてください」


この後どうなったかはわからない。
蘇った人を法的にどう扱うかってむずかしいのね。


裁判は基本郡県で行われ、そこで決せなかったことは廷尉で判断されるという晋代の裁判システムもわかるね。