眠れる墓の美女

『太平広記』巻第三百七十五　再生一　引『神異録』
竇建徳，常發鄴中一墓，無他物。開棺，見婦人，顏色如生，姿容絶麗，可年二十余。衣物形制，非近世者。候之，似有氣息。乃收還軍養之，三日而生，能言。云：“我魏文帝宮人，隨甄皇后在鄴，死葬於此。命當更生，而我無家屬可以申訴，遂至幽隔。不知今乃何時也。”説甄后見害，了了分明。建徳甚寵愛之。其後建徳為太宗所滅，帝將納之。乃具以事白，且辭曰：“妾幽閉黄壤，已三百年，非竇公何以得見今日，死乃妾之分也。”遂飲恨而卒，帝甚傷之。

隋末の群雄、竇建徳が鄴である墓を掘り起こした。
その棺には年は二十ほど、容姿端麗な美女が入っていたが、まるで生きているかのような顔色であった。
服装などから、近い時代の人とは思えなかった。
観察すると息を吹き返しそうであったため、連れて行き養った。
三日で蘇生し、話が出来るようになった。
彼女は次のように語った。
「私は魏の文帝の後宮の者で、甄皇后に従い鄴におり、死んでここに葬られました。命が復活しても私には家族がないので冥土に送られるでしょう。*1一体今はいつでしょうか」
甄皇后が害されたことを話すと、しっかり理解した。
竇建徳は彼女を寵愛したが、唐の太宗李世民に滅ぼされ、彼女を収容した。
太宗が彼女と話すと、彼女は「私は三百年黄泉の国に幽閉されていました。竇公なくして今日を見る事はなかったでしょう。死こそが私にふさわしいのです」
そして恨みながら死んだ。
太宗は心を痛めた。

恋愛小説にできそうだね（小並感）
三百年以上どうやって生きていたんだろうか。

*1:訳よくわからないので適当。訂正お待ちしております。