雲子春秋

「うんししゅんじゅう」です♡ 三国志とか好きです♡

華陽国志

益州と興平改元

194年、改元が行われ、年号は初平から興平となった。 しかし、どうも益州においてはその後もそのまま初平が使われていた可能性がある。 初平は四年までしかないのだが、益州の地方史『華陽国志』では初平六年という表現が出てくる。 『華陽国志』巻一、巴志 …

益州の有力氏族(旧巴篇)

はじめに 『華陽国志』は県ごとにどのような一族が勢力をもっていたかを載せてくれてるよ! というわけで、表にしてみる。 今回は巴郡から分かれた巴郡・巴東郡・涪陵郡・巴西郡・宕渠郡だよ! あと漢中・蜀・南中があるから三回分の更新は稼げるぜ 有力豪族…

南中の四姓五子

史料 『華陽国志』巻四、南中志 移南中勁卒青羌萬餘家於蜀為五部無當無前號為飛軍分其羸弱配大姓雍婁爨焦孟量毛李為部曲置五部都尉號五子故南人言四姓五子也。 訳: 諸葛亮は南征後、南中の兵や青羌の一万余りの家を蜀に移住させ、五部・無当・無前という部…

霍峻の部曲

『三国志』巻四十一、霍峻伝、附霍弋伝 霍峻字仲邈,南郡枝江人也。兄篤,於鄉里合部曲數百人。篤卒,荊州牧劉表令峻攝其眾。表卒,峻率眾歸先主,先主以峻為中郎將。(略)子弋,字紹先,先主末年為太子舍人。(略)後為參軍庲降屯副貳都督,又轉護軍,統事…

安漢の龔氏

『三国志』巻四十五 楊戯伝に引く『季漢輔臣賛』 (龔)德緒名祿,巴西安漢人也。先主定益州,為郡從事牙門將。建興三年,為越嶲太守,隨丞相亮南征,為蠻夷所害,時年三十一。弟衡,景耀中為領軍。 龔禄、字徳緒、巴西安漢の人。劉備が益州を平定すると、郡…

華陽国志人物伝 王阜

王阜 ☆Data 字:成公 出身:蜀郡成都 時代:後漢(章帝頃) ☆Life Story 蜀郡太守第五倫によって孝廉に挙げられ、重泉令に任命された。 すると重泉の学校に鸞という神聖な鳥が十日あまりにわたって集まってくるという珍事が起きた。 益州太守*1に遷ると、神…

華陽国志人物伝 陳立

陳立 ☆Data 字:少遷 出身:蜀郡臨邛 時代:前漢(成帝頃) ☆Life Story 前漢の成帝期、牂柯郡で乱が起きた。*1大将軍の王鳳の推薦により牂柯太守となり、反乱は平定された。*2巴郡太守・天水太守を歴任し、天水では天下一の治績をあげ、天子から黄金四十斤…

華陽国志人物伝 楊終

楊終 ☆Data 字:子山 出身:蜀郡成都 時代:後漢(明帝〜章帝頃) ☆Life Story 十三歳で『雷賦』という優れた作品を作り、また屈原の『七諫』に精通していた。 明帝の時代に班固や賈逵*1と並んで校書郎となり、『太史公書』(史記)を整えたほか、『生民詩』…

華陽国志人物伝 王褒

王褒 ☆Data 字:子淵 出身:犍為郡資中*1 時代:前漢(宣帝頃) ☆Life Story 文章の才能によって、宣帝のもとに侍した。 はじめ、益州刺史王襄のために『楽職中和頌』を作った。 (刺史がすごい奴がいると上表したため*2)宣帝に徴用され、『聖主得賢臣頌』…

華陽国志人物伝 司馬相如

司馬相如 ☆Data 字:長卿 出身:蜀郡成都 時代:前漢(武帝頃) ☆Life Story 都に遊学した。文章を作るのに優れており、無署名で「子虚賦」を著した。 武帝はこれを読んで言った。 「私はこの人と同じ世の人でないことが悔やまれる」*1 楊得意という人が答え…

華陽国志人物伝 張寛

困った時の華陽国志。久々に華陽国志人物伝です。 張寛 ☆Data 字:叔文 出身:蜀郡成都 時代:前漢(景帝〜武帝頃) ☆Life Story 蜀郡は秦の後を承け、文徳を備えた人が少なかった*1。 そこで、蜀郡太守の文翁*2は張寛を都の博士のもとにやって学ばせた。張…

趙韙の謎

劉焉が益州牧に任じられて洛陽を去る時、巴西郡出身で当時大倉令であった趙韙は官を辞し、劉焉に従ったという。 『三国志』巻三十一 劉焉伝 及太倉令巴西趙韙去官,俱隨焉。 『華陽国志』の劉二牧志にも同様のことが書かれているのだが、『華陽国志』の別の…

蜀郡の常氏と趙氏

『華陽国志』蜀郡士女讃から 常洽、字茂尼、江原人也。自荊州刺史遷京兆尹、侍中、長水校尉。以兵衛大駕西幸。 傕等作難、常侍衛天子左右。為傕所殺。 常洽、荊州刺史や京兆尹、侍中、長水校尉を歴任。献帝の流浪に付き従った。 常に献帝の左右を護衛したが…

華陽国志人物伝 何武(ちょいと訂正)

何武 字:君公 from:蜀郡郫県 era:前漢 対策甲科(漢の人材登用試験)によって郎となり、揚州・兗州刺史、司隷校尉、京兆尹、清河・楚・沛太守、廷尉、御史大夫を歴任した。 成帝が三公を設置すると、大司空を拝命し、氾郷侯に封じられた。人となりは忠に…

華陽国志人物伝 林閭

林閭 字:公孺 from:蜀郡成都 era:前漢 古学を好んだ。 古代には「輶車之使」という官があった。 漢が興ると、(宮中の書庫を管理していた)劉向ですらその官については聞いたことがあるというだけで、詳細には知らなかった。 ただ、林閭と荘遵だけが、この…

華陽国志人物伝 楊雄

楊雄 字:子雲 from:蜀郡成都 era:前漢 (揚雄と書かれることが多いがここでは華陽国志に沿って楊雄とする) 幼い頃から家は貧しく、家にはわずかな蓄えもなかった。学問を好んだが、章句の研究はしなかった。 司馬相如の文章を慕い、辞賦の制作にふけった。…

華陽国志人物伝 李弘、抑抑たり

李弘 字:仲元 from:蜀郡成都 era:前漢 若いころから五経を読んだが、章句研究をすることはしなかった。路地裏で生活したが、堅い志があった。 立ち居振る舞いは国家が師とした。徳行によって郡の功曹となったが一月で去った。 子の李贅が辱められたために人…

華陽国志人物伝 恬泊の士、荘遵

蜀の地方史『華陽国志』には先賢士女志という、土地の人物達の簡単な伝がある。 そこに載っている人々は正史に名を連ねる人もいれば、ここにしか残らない者もある。 そんな人物達を時々簡単に紹介することでネタ不足解消眠っている名臣・名将たちにスポット…