陳到の領兵
『太平御覧』巻三百四十一 兵部七十二 毦 の引く『諸葛亮與瑾書』
兄嫌白帝兵非精練、到所督則先主帳下白毦*1、西方上兵也。嫌其少也、當復部分江州兵以廣益之。
兄さんは白帝の兵が精練ではないと嫌がりますが、陳到の督する兵は先主の帳下の白眊兵であり、西方の質の高い兵です。
その数の少なさを嫌がるのでしたら、江州兵をこれに分けて数を増やすべきです。
白眊とは、古代の衛士の服装で、衛士のことを指すという。
陳到の率いた兵は上質な近衛兵であった。
史書で、趙雲に比されているのは、彼もまた特別な近衛兵だからです。
以下余談。
ここで『太平御覧』は「兄」を諸葛瑾としているが本場中国の研究者は、李厳のことではないか、という。
中国語だが、次のサイトに詳しい。
http://www.e3ol.com/culture/html/2011-1/17977/17977_2011127.htm
李严年长于亮，关系近密，亮呼之为兄，亦是应有之义，此固不刊之论。
まあ諸葛瑾に「江州の兵を分けて陳到の軍を増やせ」なんて言ってもしゃあないわな。
李厳なら納得できる。
また百度百科には白眊兵の来歴予想が三説書いてある。まあ中国語だけど。簡単に訳しながら。
http://baike.baidu.com/view/2542156.htm
1-丹阳军旧部
刘备早期的部队，以在徐州获得的丹阳军为最优。这些部队跟随刘备转战南北，陈到更是长期统领丹阳军，所以白眊兵有可能为丹阳兵。但是依据时间推算，从公元194年刘备占据徐州到公元226年诸葛亮的这次北伐，经过了32年的时间，丹阳旧部的实际年龄已经很大，并不很符合如诸葛亮所言“西方上兵”。
１、丹楊軍：劉備が徐州にいた頃率いていた兵。ただ、この手紙の頃までに三十年くらい経ってるから、みんな年老いて「上兵」とは言い難いんじゃないか。
2-马超的旧部
依据史料，羌人广泛佩戴毦，而刘备阵营早期的羌人部队，是马超归顺刘备时带来的，这也符合了白眊兵人少的特点。事实上马超穷极而来，很可能被刘备解除了私人武装划归刘备亲自带领。但是这种说法缺乏史料的支持。
２、馬超が領していた兵：史料によれば羌人が眊をつけていたし、劉備陣営の羌の部隊は馬超の所領だった。白眊兵が少ないという特徴にも符合する云々。
3-西南少数民族
“白眊，西方上兵”很可能是西南少数民族兵。《后出师表》提到“賨叟青羌”，《华阳国志》提到“青羌五部”，实际上从史料来看蜀汉是存在为数不少的一批少数民族部队的，他们在夷陵之战和诸葛亮北伐中充当重要角色，而白毦兵可能是其中比较优异的一支。田余庆教授执这种观点。
３、西南の少数民族
『後出師の表』や『華陽国志』に「青羌」という少数民族が見られる。蜀には少なからず少数民族が存在し、彼らは夷陵の戦いや北伐でも重要な役割があった。白眊兵はその中の優秀なものであるだろう云々。
誤訳してるかもしれない。
どの説を採るかは皆さんにお任せします。ここにない説を提唱しても面白いかも。
あまり記録のない陳到だが、この白眊兵の話を見るに、劉備、諸葛亮から大変信頼されていたことが窺える。
陳到＝劉備の親衛隊長っていうイメージが定着するといいね☆
*1:眊の誤写とされる
