雲子春秋

「うんししゅんじゅう」です♡ 三国志とか好きです♡

軍謀祭酒

司空府または丞相府には軍師祭酒という官があった。
三国志』では基本的に「軍祭酒」と書かれている。
これは司馬師の諱を避けたためといわれる。本当かはしらない。
(連名の際に祭酒と軍師祭酒で区別されているので別官の可能性もある?)


さて、『三国志』には他に、似た名前の「軍謀祭酒」という官が出てくる。
これも軍祭酒とイコールであるとみんないっている。気がする。
この「軍謀祭酒」であるが『三国志』の中に登場するのは


魏書二十一巻の王粲伝および建安七子伝
魏書二十九巻の方技伝


の二つの巻だけなのである。
この二巻に共通することは、文学者や方技といった、少々特殊なメンツを取り上げていることである。


ここから二つの可能性が考えられる。
一つは、文学者や方技のような特殊な人の事跡を集めた書物がもともとあって、
その書は諱を避けるために師を謀に書き換えていた。
それを陳寿が丸パクリし、そのため『三国志』の中で表記の違いが生じた。
ただ、師と謀は意味も音も似てない気がするので諱を避けるとしてもちょっと遠すぎるような・・・。


二つ目、そもそも軍師祭酒と軍謀祭酒は同じものではないのではないだろうか。
軍謀祭酒の職掌と思われるものとして“管記室”“典記室”とある。
軍謀祭酒は記録や文書を管理する役職のようであり、軍事に参画する軍師祭酒とは役割を異にしているように思われる。
軍某祭酒が事務方であるとすれば、文学者などが多くなることにも合点がいく。


というわけで今日の結論:軍師祭酒と軍謀祭酒って別物じゃねーの?