鄧艾廟

復讐鬼の生涯その１　http://d.hatena.ne.jp/T_S/20120124/1327331918
てぃーえすさんの所で大変面白いシリーズが開始したので便乗支援。

『太平広記』巻三百一十八　鬼三
鄧艾廟在京口，止（止原作上，據明抄本改。）有一草屋。晉安北將軍司馬恬，于病中夢見一老翁曰：“我鄧公，屋舍傾壞，君為治之。”後訪之，乃知艾廟，為立瓦屋。隆安中，有人與女子會于神座上，有一蛇來，繞之數四匝。女家追尋見之，以酒脯祷神，然后得解。（出《幽明錄》）

鄧艾廟は京口にあり、一つの草屋があった。東晋の安北将軍司馬恬は病気になった際、夢に一人のじいさんを見た。
じいさん「わし、鄧艾。小屋ぼろぼろなんやけど。治してちょ」
後に司馬恬はそこを訪れ、鄧艾廟であると知り、瓦葺きの小屋にした。
東晋の隆安年間（397−401）、ある人と女性が鄧艾廟の神座の上で会った時、蛇が来て彼に*1纏わり付いた
酒肉を使って祈祷したのちにようやくほどけたという。

蛇が何者なのかよくわからん。
あと京口はもとの丹楊郡丹都県、孫権時代には京城。
なんでここに廟があるのかは不明。
晋東遷の際にどこかから移したのだろうか。
ちなみに司馬恬は司馬懿の弟司馬進のひ孫。
晋書の伝を見ると安北将軍じゃなくて鎮北将軍のようだ。

『水経注』によると兗州済陰郡鄄城の南にも前秦建元十二年（376）に安定の彭超によってたてられたものがあったということである。

鄧艾の活躍地域というと蜀のあたりのイメージだが、なぜか廟があるのは東の方である。
鄧艾は農業関連の仕事で東の方の調査をしているので、そのときに何かあったのかもしれない。知らない。

*1:「之」が何を指すのかよくわからん