宋書は南朝宋について書かれた正史であり、三国志とは余り関わりはなさそうに思われる。
しかし、その志(し)には漢や三国志に関する話が散見される。
楽志には、漢や魏、呉の歌が収録されている。*1
百官志には、官職のあらましが書かれており、漢代、三国時代の話もかなり多い。*2
その中には、漢書などには見られない話もある。
例えばこんな話。
漢代、丞相府の門番に“宜禄”という字の者がおり、丞相府に報告することがある者は彼の字を呼び、取り次いでもらっていたが、それが以後定着し、丞相府に入る際に「宜禄」と言うことが慣例になったという。
というわけで、宋書は漢、三国の官職の重要史料でもある。
『三国志』や『後漢書』だけでなく様々な文献に当たることで三国志をより楽しむ事が出来るかもしれない。