雲子春秋

「うんししゅんじゅう」です♡ 三国志とか好きです♡

洛陽の紙価うんぬんで有名な左思の一族

左思、三国志好きにはおなじみですね!
え、知らない??
やだなあ、西晋の人で魏呉蜀三国の都をテーマに三都賦を編んだんですよ!
それが大流行して洛陽の紙価を爆上げさせたすごい人です!!


まあ経歴はうぃっきーでも見てくれ。正確かどうかは知らんけど。
本題はこの人の一族。
『晋書』で見ると、

『晋書』巻九十二、左思伝
左思字太沖(略)父雍,起小吏,以能擢授殿中侍御史。(略)妹芬入宮(後略)

左思、字は太沖、父は左雍、小吏から能力により抜擢されて殿中侍御史になった。妹の左芬後宮に入った。
太字になってるのは意味があるからよく覚えておいてね。


次の西晋時代の墓誌を見てくれ、こいつをどう思う。

『漢魏南北朝墓誌彙編』左棻墓誌
【誌陽】
左棻,字蘭芝,齊國臨淄人,
武帝貴人也。永康元年
三月十八日薨。四月廿五
日葬峻陽陵西徼道内。
【誌陰】
父熹,字彦雍,太原相弋陽太守。
兄思,字泰沖。
兄子髦,字英髦。
兄女芳,字惠芳。
兄女媛,字紈素。
兄子聰奇,字驃卿,奉貴人祭祠。
嫂翟氏。

訳:
誌陽
左棻、字は蘭芝、斉国臨淄の人。晋の武帝の貴人である。永康元年三月十八日に死んだ。
四月二十五日、峻陽陵の西の道の中に葬った。
誌陰
父の左熹、字は彦雍、太原相、弋陽太守。兄の左思、字は泰沖。
兄の子左髦、字は英髦。兄の娘左芳、字は恵芳。兄の娘左媛、字は紈素。
兄の子左聡奇、字は驃卿、貴人(左棻)の祭祀を奉る。兄の嫁は翟氏。

この墓誌の主役、左棻は左思の妹、後宮入りした左芬のことなのだ。
墓誌は被葬者の死後すぐ、すなわち同時代に作られたものであり、当然後に編まれる史書『晋書』より正確。
『晋書』は芬の下の木が足りない!
それだけではない、父の名前は雍ではなく熹、雍は字(彦雍)の一部。
そして、左思の字、太沖ではなく泰沖である。
『晋書』適当すぎィ!
まあ太と泰は通用するっちゃするし、芬は香り、棻は香りのする植物って意味でまあ兄弟みたいな漢字だけど、父親の名前の間違え方はいかんでしょ。
それにしても父親が相や太守という二千石クラスまで昇っていたのかあ。
左思の子は史書に残らなかったんだね(ガッカリ
おまけの系図