奴婢の乱

『後漢書』列伝七十一　李善伝
李善字次孫，南陽淯陽人，本同縣李元蒼頭也。建武中疫疾，元家相繼死沒，唯孤兒續始生數旬，而貲財千萬，諸奴婢私共計議，欲謀殺續，分其財產。

南陽に李元という人がおり、相当な富豪であった。
しかし建武中に疫病のため、李元を含め一族は相次いで死亡、李続という生まれて数十日の孤児のみが生き残った。
孤児と共に莫大な遺産が残された。
その金が火曜サスペンスを呼ぶ……。
忍び寄る奴婢達。

さて、漢代の規定では主人が死んで後継ぎがいなければ、その家の奴婢が後を継ぐことが出来た。
詳しくは
http://d.hatena.ne.jp/chincho/20110414/1302707304

この家に残されたのは乳飲み子たった一人。
つまり、彼が消えれば、奴婢が後を継ぎ、当然財産も継承。
李元に仕えていた奴婢達は金にめがくらみ、李続を殺害しようとしたという。
多分李元はあんまり奴婢達に好かれていなかったんだろうね。

結局この計画は、奴隷のうちの一人、李善が李続を背負って山陽まで逃げたために失敗。
十年後に李善と李続は郷里に戻って通報、奴婢らは死刑になった。

遺産によって一騒動起こるのは今も昔も変わらない。
今日の格言：財は残すな！