変わらぬ体質

『三国志』魏書卷九「夏侯尚伝」註
魏略曰：玄既遷，司馬景王代為護軍．護軍總統諸將，任主武官選舉，前後當此官者，不能止貨賂．故蔣濟為護軍時，有謠言「欲求牙門，當得千匹；百人督，五百匹」．宣王與濟善，輭以問濟，濟無以解之，因戲曰：「洛中市買，一錢不足則不行．」遂相對歡笑．玄代濟，故不能止絕人事．及景王之代玄，整頓法令，人莫犯者．

護軍（中護軍）は諸将の監督、武官の選任に関わるので、賄賂が横行したという。
名前の挙げられている蒋済はともかく、他に中護軍になった韓○さんや曹○さん司馬○さんも賄賂に関わったのだろうか。*1
中護軍には長史と司馬がいるから悪いのは彼らかもしれない。
“不能止貨賂”は部下の賄賂を止めることが出来なかったということなんだ。
だから“整頓法令”することで“人莫犯者”となったんだ。そうに違いない。
そもそも、この話は司馬宣王殿下がおわすから、ただのマンセー捏造記事ということもある。

ぼくのだいすきなかんこうさんがわいろなんてするはずありません！

―閑話休題―

この護軍は前漢初期には護軍中尉であった。
そしてその護軍中尉に就いていたのはあの陳平である。
陳平は護軍中尉になる前も、ほぼ同じ“軍を典護す”、つまり軍の監督という職責を担っていた。
その時の周勃や灌嬰らの批判

『史記』卷五十六「陳丞相世家」
臣聞平受諸將金，金多者得善處，金少者得惡處．

昔から変わってないのね･･･。

*1:誰か分かるかな？