雲子春秋

「うんししゅんじゅう」です♡ 三国志とか好きです♡

薛氏の系譜

以前は岑氏の系図を取り上げたけど
新唐書宰相世系表から今度は薛氏の系譜をツッコミつつ紹介
では早速

薛氏出自任姓.黃帝孫顓頊少子陽封於任,十二世孫奚仲為夏車正,禹封為薛侯,其地魯國薛縣是也.

訳:薛氏は任姓より出ている。黄帝の孫の顓頊の末子の陽が任に封ぜられ、
十二世の孫の奚仲が夏の車正となり、禹は封じて薛侯とした。その地は魯国の薛県である。

任姓から出ているそうなので、同じく世系表の任氏の項を見てみると・・・

任姓出自黃帝少子禹陽,受封於任,因以為姓.十二世孫奚仲,為夏車正,更封於薛.

訳:任姓は黄帝の末子の禹陽が任に封ぜられたためそれを姓とした。
十二世の孫の奚仲は夏の車正となり、あらためて薛に封ぜられた。

任に封ぜられたのは薛氏の方では“陽”、任氏の方では“禹陽”とある。
おそらく同一人物なんだろうけど父親が違っている。
ほぼ神話の時代の話だからテキトーなのかもしれないし
或いは黄帝と顓頊の間の禁断の愛の産物なのかも
※ちなみに南宋の『路史』では任は禹陽の国とされています。

気を取り直して出てきた人を紹介

黄帝:中国古代の神話上の人物、五帝の一人。
顓頊:五帝の一人で、黄帝の後を継いだ。
禹陽:事績不明。
奚仲:夏の車正で、車を開発したとされる。『春秋左伝』定公元年に“薛之皇祖奚仲”とある。


続きを見ていきます。

奚仲遷于邳,十二世孫仲虺,復居薛,為湯左相.臣扈、祖巳皆其冑裔也.
祖巳七世孫曰成,徙國於摯,更號摯國.女大任,生周文王,至武王克商,復封為薛侯.

訳:奚仲は邳にうつり、十二世の孫の仲虺はまた薛に居住し、湯王の左相となった。
臣扈や祖巳は皆その子孫である。祖巳の七世の孫は成といい、摯にうつりあらためて摯国と号した。
娘の大任が周の文王を生み、武王が商に勝つとまた薛侯に封ぜられた。

人物紹介
仲虺:左相となって商(殷)の湯王を補佐した。
臣扈:周公が作った『君奭』(書経に収録)にその名が見える。殷の九代目太戊のときの名臣。
祖巳:殷の二十三代目の武丁の臣に祖己という人がおり、同一人物だと思われる。
成(摯國):周の文王の母太任の父“摯國”としてばかり登場
大任:太任と書かれることが多い。周の季歴に嫁ぎ、周の文王を生む。


疲れたので続きはまた次回・・・