段熲と段煨

昨日ツイートした話をリサイクル。環境と自分に優しい雲子である。
段熲と段煨って同姓だし、名前も微妙に似てて正直こんがらがるよね。

段熲は字を紀明、武威姑臧の人。
桓帝〜霊帝期に涼州の反乱鎮圧に活躍した。
同じく涼州で活躍し、字（あざな）に“明”のつく皇甫規（威明）・張奐（然明）とともに「涼州の三明」とあだ名されていた。
三公の一つ太尉まで昇るが、宦官王甫らにおもねって地位を保っていたため、光和二年（179）、王甫が司隷校尉陽球に誅殺されると官憲の手が及び投獄、毒をあおって自殺した。

段煨はおもに董卓伝に記述がパラパラとあるのみで、列伝はない。
武威の人である。董卓の下、中郎将として華陰に駐屯し孫堅に備えた。
董卓死後もそのまま華陰に駐屯していたようで、献帝逃避行では保護しようとした。
しかし献帝配下の将軍楊定と不仲だったため、楊定の仲良し侍中种輯が献帝に「段煨は反意がある」と誣告された上、楊定に攻められる。
献帝を逃がしたことを後悔した李傕郭汜が段煨を救援し、楊定を破る。
建安三年（198）に中郎将として、裴茂とともに李傕を討った。
そして建安十四年（209）死去した。

さて、この二人、関係は不明であるが、衛覬の手による『西嶽華山堂闕碑銘』には次のようにある。

於是鎮遠將軍領北地太守閺鄉亭，侯段君諱煨，字忠明，自武威占此土，憑託河華二靈是與，故能以昭烈之。

段煨の字は忠明というのだそうだ。
段熲の字は紀明である。

中国には輩行といって兄弟や同世代の一族の名や字の一字を共通させることがあった。
例えば司馬懿の兄弟の八達（全員の字に“達”がつく）や袁紹の子の字に共通して“顕”がはいっている。

この輩行から考えると段熲と段煨は兄弟あるいは同族同世代であった可能性が高い。

そもそも段熲と段煨って誰だよ！って感じかもね。光栄三國志にもでてないし。