雲子春秋

「うんししゅんじゅう」です♡ 三国志とか好きです♡

とある宛陵の裁判事例

晋代の書物『広陵烈士伝』に次のような話がある。

『古今図書集成』の引く 『廣陵烈士傳』
劉雋,字幼節。遷宛陵令。到官二年,政治清平,為吏民所親。時縣有友人相過者,主人歡喜為具,持刀捕犬,因誤中客,客死,家見縣平法者云:主人本有殺心,應當伏辜。雋曰:聞許太子至孝,以不嘗藥之誤,史官書殺君,曰:盡心力以事君,父含藥物可也。
今主人與客,本無讎恨,但歡喜為供,有親愛飲食之意,無傷害之心,不幸而死,當以《周禮》過誤平之,奈何欲用法律所失,一時兩殺不辜。主法者,拘有常例不聽。雋曰:界有失禮之民,皆令之罪也。解印綬去。

宛陵令の劉雋という人がいた。
あるとき、県内で、客をもてなすために剣をもって犬を捕らえようとした男が、誤ってその客を刺し殺してしまう事件が発生した。
県の法律担当者はその男がもともと客を殺すつもりであったとして罰しようとした。
一方で、劉雋はその男に殺意はなかったとして、無罪を主張した。
故意か事故か、殺人か過失致死か。それが争点となったのである。
結局法律担当者はその意見を聞かず、その男は罰せられた。
劉雋は県令をやめてしまった。


この話からわかること。
殺意が争点になることがあった。
県令の意見でも通らないことがあった。


こういう古い裁判記録を読むのは楽しい。
秦代の判例集『奏讞書』とかもけっこうおもろい。
古代の裁判記録みたいな新書誰か出さないかな…。