雲子春秋

「うんししゅんじゅう」です♡ 三国志とか好きです♡

漢文を読もう3〜動詞をさがそう〜

今日から本格的に漢文講座に入ります。
お手元に漢和辞典を用意があるととてもいいです。特に『漢辞海』がオススメですよ。


漢文で、一番大事なのは動詞です。
動詞さえつかめば、けっこう意味がとれるのです。
動詞を制する者は漢文を制する!ということで本日はその動詞のつかみ方を紹介します。


ですが、その前に簡単に漢文の構造・語順を知りましょう。


漢文は英語に近い語順で、「主語+動詞+目的語」となっています。
主語と動詞の間に、修飾語句が入ることもありますが、基本的に主語のすぐ後が動詞です。
次の文を見て下さい

三国志』巻一武帝
(曹)嵩生太祖.

曹操の父“嵩”が主語なので、そのすぐ後の“生”が動詞ですね。目的語は“太祖”、曹操です。
“生”は「生む」という意味が思い当たりますね。
ですから、「曹嵩が太祖を生んだ」という意味になります。*1


というわけで、動詞の見つけ方は、主語の後を見る!


ただし、動詞は一文字とは限りません。

三国志』巻一武帝
(董)卓留屯洛陽

主語は“董卓”です。また“洛陽”という地名がありまして目的語になりそうだ。
そして“留”“屯”の二字が余ります。これは両方動詞なのです。
“留”は「留守」などの熟語でわかるように、「とどまる」という意味があります。
“屯”は「駐屯する」という意味です。
そのためここは、「董卓が洛陽に留まって駐屯した。」という意味になります。


二字の動詞は「殺害」のように、似た意味の動詞を二つ重ねるものや、
一方の動詞が他方の動詞を修飾する「追撃(追って撃つ)」のようなものがあります。


次に動詞の意味を取るには“屯”から「駐屯」という熟語を考えたように
その漢字が使われている熟語を考えます。
わからない場合は素直に漢和辞典を引きましょう。
わかったと思っても漢和辞典を引いてみるといいかもしれません。
この漢字こんな読み方するんだ!!という発見があるかもしれません。
昔の話ですが、

漢書』巻三十四呉芮伝
黥布歸芮,芮妻之

“芮妻之”というのを見た当初、「芮、之を妻とす」だと思ってしまったんですが、
“芮”は呉芮(男性)、“之”は黥布(男性)なので、このままではまさかのベーコンレタス(BL)!!
ところが、漢和辞典を引くと“妻”には「めあわす」という意味があって、
呉芮が黥布に娘を嫁がせたというただそれだけの話だったということがありました。
というわけで、知ってる漢字も時々調べてみるといいですよ。


今日のまとめ
1,漢文は動詞がカギ!
2,動詞は主語のすぐ後ろにいる!
3,意味を取るには熟語を考える!
4,辞書を引いてみる!
5,呉芮×黥布はない

*1:日本では父親が“生む”という表現はあまりしませんが、漢文ではよくある表現です。