おしつけ沛公
秦末、沛の父老たちは沛令を殺し、劉邦を沛公とした。
その後、劉邦によって漢がたてられることはいうまでもないのだが、
劉邦が沛公になった経緯がちょっと面白い。
『漢書』巻一高祖本紀
蕭﹑曹(等)皆文吏,自愛,恐事不就,後秦種族其家,盡讓高祖.
諸父老皆曰:「平生所聞劉季奇怪,當貴,且卜筮之,莫如劉季最吉.」高祖數讓.
衆莫肯為,高祖乃立為沛公.
父老たち「沛令殺しちゃいました」
文吏(蕭何・曹参ら)「もしリーダーになって、この後うまくいかなかったら秦に一族皆殺しにされんじゃね」
劉邦「え」
文吏「というわけで劉邦さんリーダーになっちゃってください」
劉邦「え」
父老「この中で一番幸運なのはあなたです」
劉邦「え」
文吏&父老「どうぞどうぞ」
陳勝・呉広をはじめとして各地で反乱が起こっていたわけだけれど、まだ多くの人は秦を恐れていた。
また、劉邦の奇妙な伝説とかがつくられたのはこのときなんじゃないかな。