韓氏の系譜
前回潁川の韓氏が韓王の子孫だったりしてという趣旨の記事を書きました。
T_Sさんからのコメントで、後漢の韓棱が韓王の子孫とされていると伺いました。
恥ずかしながら韓棱という人物を一ミリも知らなかったのですが、いろいろと調べてみました。
『後漢書』巻四十五「韓棱伝」
韓棱字伯師，潁川舞陽人，弓高侯穨當之後也．
注：穨當，韓王信之子．見前書．
潁川の韓棱は弓高侯穨當の子孫であるとされており、その注によると弓高侯穨當は韓王信の子であるようです。
系譜といえばで例のアレ！『新唐書』宰相世系表！
『新唐書』巻七十三「宰相世系表韓氏源流」
十五世孫襄王倉，為秦所滅。少子蟣虱，生信，漢封韓王。生弓高侯頹當。頹當生孺。孺生案道侯說。說生長君。長君生龍頟侯筯。筯生河南尹騫，避王莽亂，居赭陽。九世孫河東太守術，生河東太守純。純生魏司徒南鄉恭侯暨。
ところがどっこい、この表では韓棱さんはハブられちゃってます。
『三国志』に伝があるのに知名度のとっても低い常林や涼茂のともがらたる韓曁さんがひょっこり登場しますがこの際関係ない。*1
というわけで、宰相世系表のお兄さん『元和姓纂』が今日私のもとに降臨なさったので早速その力を借りることに。
『元和姓纂』巻四 二十五寒「韓姓」（中華書局 1994）
襄王孫漢韓王信。信生襄城侯嬰，弓高侯頽當。頽當孫龍頟侯譊、案道侯説。説孫曾*2大司馬。
裔孫後漢司空稜，晋太常卿伯。（『新唐書』とは文字が若干ちがいますが、こまけぇこたぁいいんだよAA略）
これだと一応記載されてます。『後漢書』の記載より少し詳しくなっていて、韓説の子孫であるとのこと。
それにしても先祖たちが封じられた土地は北方なのに、韓棱はなぜ潁川にいるのだろうか。
韓曁の先祖韓騫のように王莽の時に逃げてきたのかしらん？
