雲子春秋

「うんししゅんじゅう」です♡ 三国志とか好きです♡

2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧

おしらせ

私雲子は7/2から12/31まで、英国に留学することになりました。 どっかの大学行くわけでもないただの語学留学ですが…。 さんざん漢文だの中国史だのと言っていたのになぜ英国なのかわけがわからないと思いますが、わたしもわかりません。 というわけで、4月か…

まみれた丞相車

この記事を書いた後に既視感を覚え(特に赤と白の袋のところ)、ググったらこの話はすでにT_Sさんがお書きになっていた、ので、この記事読まないで下のT_Sさんの記事読んでください。 http://d.hatena.ne.jp/T_S/20110128/1296140629 『漢書』巻七十四、丙吉…

律の制定

廣瀬薫雄『秦漢律令研究』(汲古書院、2010/3)を読んでいる。 秦漢律令学会に波紋を広げているこの書、とっても面白い、興味深い。 今回は主に「第四章 秦漢時代の律の基本的特徴について」から律とは何か、その制定手続きはどのようであったか、をとりあげ…

張魯の娘と龍津

宋代の地理書『太平寰宇記』の引く『道家雑記』から、張魯の娘にまつわるエピソード。 『太平寰宇記』巻一百三十五、山南西道一、梁州、引『道家雑記』 龍津、道家雑記、張魯女嘗浣於山下有霧蒙身遂孕。後恥之投漢水而死。魯因葬女於龍岡山頂。後有龍子数来…

刺史の軍事

後漢安帝期以降、有事に際して刺史が軍事行動をとることがしばしば見られるようになる。 『後漢書』紀五、安帝紀 遣御史中丞王宗督青州刺史法雄討破之。 『後漢書』紀八、霊帝紀 巴郡板楯蠻叛,遣御史中丞蕭瑗督益州刺史討之,不剋。 上の二つの例では御史中…

刺史の人事権に関する根拠への疑義(追記あり)

私は刺史が後漢を通して行政権を拡大していったということには賛成している。 刺史の権限に関して、刺史が太守県令の任命権を得ていたとする厳耕望*1の論がある。 次の文は県令任命権の根拠とされるものである。 『後漢書』列伝二十一、賈琮伝 琮即移書告示…

後漢と羌族、その5

http://d.hatena.ne.jp/chincho/20110621/1308584206の続き。 謁者もやられ、大ピンチの漢王朝! 馬武の活躍 『後漢書』列伝七十七 西羌伝 永平元年,復遣中郎將竇固、捕虜將軍馬武等撃滇吾於西邯,大破之。事已具武等傳。滇吾遠引去,餘悉散降,徙七千口置…

一日の行軍距離と糧食

永和二年(137)、交州で反乱が起きた。 朝廷は荊・楊・兗・豫の四州から併せて四万人を徴兵し鎮圧に向かわせようとした。 それに対する李固の反論のなかには後漢の行軍に関して言及がある。 『後漢書』列伝七十六、南蛮伝 大將軍從事中郎李固駮曰「(略)軍…

後漢末における州刺史と州牧(概略)

朱涵・柏天航「汉末刺史州牧嬗代再探讨」(『大众商务』2010年10期 2010/05) 石井仁「漢末州牧考」(『秋大史学』38、1992/03) を読んで、twitterでも書いたけど刺史と牧の違いがなんとなくわかった。 論文風にまじめに書いたら長くなりすぎて見にくくなっ…

後漢と羌族、その4

http://d.hatena.ne.jp/chincho/20110620/1308547237の続き 前回は馬援伝でしたが、西羌伝に戻ります。 建武中元元年の乱 『後漢書』列伝七十七 西羌伝 中元元年,武都參狼羌反,殺略吏人,太守與戰不勝,隴西太守劉盱遣從事辛都、監軍掾李苞,將五千人赴武…

後漢と羌族、その3

http://d.hatena.ne.jp/chincho/20110619/1308463250の続き。 破羌以西破棄の議 引き続き馬援伝 『後漢書』列伝十四 馬援伝 是時,朝臣以金城破羌之西,塗遠多寇,議欲棄之。援上言,破羌以西城多完牢,易可依固;其田土肥壤,灌溉流通。如令羌在湟中,則為…

後漢と羌族、その2

http://d.hatena.ne.jp/chincho/20110613/1307979221の続き。 建武十一年の反乱 『後漢書』列伝七十七 西羌伝 十一年夏、先零種復寇臨洮、隴西太守馬援破降之。後悉歸服、徙置天水・隴西・扶風三郡。明年、武都參狼羌反、援又破降之。事已具援傳。 建安十一…

字書に載ってる謎校尉

『康煕字典』戌集上 金字部 銓 註 又姓。漢捕羌校尉銓徴。 『康煕字典』によれば、漢には捕羌校尉の銓徴という人がいたという。 ところが正史の類を検索してもこんな人は見られない。 しかも捕羌校尉という校尉も謎。護羌校尉ならわかるけど。 困った時の『…

牧場しぼり北海道メロンミルク仕立て

三度の飯“が”アイスクリームであるくらいのアイス男子として名を馳せる雲子ですが、最近登場したとあるアイスがとってもおいしかったので記事にします。 タイトルでネタバレしてますが、そのアイスは「牧場しぼり北海道メロンミルク仕立て」です。 メロン味…

北中郎将(修正)

中郎将シリーズ。 『後漢書』列伝第五十四 盧植伝 中平元年,黄巾賊起,四府舉植,拜北中郎將 ,持節,以護烏桓中郎將宗員副,將北軍五校士,發天下諸郡兵征之。 『三国演義』とかのイメージだと黄巾の乱平定時の盧植は北中郎将として、黄巾鎮圧のトップの一…

今日ブログ更新できないです。

今日はカブトボーグ鑑賞会に行くので更新出来ません。 カブトボーグはキ●ガイじみてて面白いのでぜひ御覧ください ロイドさんがすごくウザいし、登場人物のほぼ全員が外道です。 ニコニコで有料配信中です。 ニコニコに金なんか払うわけねーだろJK! とか思…

劉備の中郎将

『三国志』巻七 張邈伝注引『英雄記』 布水陸東下、軍到下邳西四十里。備中郎將丹楊許耽夜遣司馬章誑來詣布、言「張益德與下邳相曹豹共爭、益德殺豹、城中大亂、不相信。丹楊兵有千人屯西白門城内、聞將軍來東、大小踊躍、如復更生。將軍兵向城西門、丹楊軍…

後漢と羌族、その1

西羌伝が面白かったので読んでみる。 最初の沿革はすっ飛ばして、後漢と羌族の関わりから読んでいく。 護羌校尉の設置 『後漢書』列伝巻七十七 西羌伝 滇良者,燒當之玄孫也。時王莽末,四夷内侵,及莽敗,衆羌遂還據〔西海〕為寇。更始、赤眉之際,羌遂放縱…

奴婢の乱

『後漢書』列伝七十一 李善伝 李善字次孫,南陽淯陽人,本同縣李元蒼頭也。建武中疫疾,元家相繼死沒,唯孤兒續始生數旬,而貲財千萬,諸奴婢私共計議,欲謀殺續,分其財產。 南陽に李元という人がおり、相当な富豪であった。 しかし建武中に疫病のため、李…

夕陽は沈む

『太平御覧』巻二百一 封建部四 誅貶 引『東観漢記』 夕陽侯邢崇孫之為賊所盗、亡印綬、國除。 夕陽侯というロマンティックな侯に封ぜられた邢崇。 孫の邢之の代になって、盗賊に侯の印綬を盗まれた。 そして侯国は取り上げられてしまったのであった。 印綬…

劉氏にあらざれば…。

『漢書』巻四十 王陵伝 陵曰:「高皇帝刑白馬而盟曰:『非劉氏而王者、天下共撃之。』今王呂氏、非約也。」 高祖以来の漢の掟、「劉氏にあらざるものが王となったら、天下ともにこれを撃て」 『太平御覧』巻二百 封建部三 功臣封 引『東観漢記』 申屠公志以…

華陽国志人物伝 王阜

王阜 ☆Data 字:成公 出身:蜀郡成都 時代:後漢(章帝頃) ☆Life Story 蜀郡太守第五倫によって孝廉に挙げられ、重泉令に任命された。 すると重泉の学校に鸞という神聖な鳥が十日あまりにわたって集まってくるという珍事が起きた。 益州太守*1に遷ると、神…

華陽国志人物伝 陳立

陳立 ☆Data 字:少遷 出身:蜀郡臨邛 時代:前漢(成帝頃) ☆Life Story 前漢の成帝期、牂柯郡で乱が起きた。*1大将軍の王鳳の推薦により牂柯太守となり、反乱は平定された。*2巴郡太守・天水太守を歴任し、天水では天下一の治績をあげ、天子から黄金四十斤…

木鹿王

『三国演義』の架空人物とされる木鹿大王。 『古今図書集成』雲南土司木邦考 木邦軍民宣慰司 木邦軍民宣慰使司、舊名孟都、一名孟邦。相傳、蜀漢時木鹿王苗裔。元至元二十六年、立木邦軍民總管府、領三甸。明内附、改木邦府、後改木邦軍民宣慰使司、徴差撥銀…

御史中丞と都督

『漢書』巻十九 百官公卿表 (御史)中丞…外督部刺史… 御史中丞。その役職の一つに“刺史を監督する”というものがある。 その職掌によるものなのか、御史中丞が“州を督して”賊を討伐する場面がしばしば出てくる。 その実例。 『後漢書』巻五 安帝紀 遣御史中…

華陽国志人物伝 楊終

楊終 ☆Data 字:子山 出身:蜀郡成都 時代:後漢(明帝〜章帝頃) ☆Life Story 十三歳で『雷賦』という優れた作品を作り、また屈原の『七諫』に精通していた。 明帝の時代に班固や賈逵*1と並んで校書郎となり、『太史公書』(史記)を整えたほか、『生民詩』…

杜の都。

現在雲子は仙台にきております。 新幹線ってほんとに速い。 最近火災で話題だったスーパーおおぞら。 釧路札幌間約300kmに四時間かかる。 東京仙台間も約300km、二時間ちょっとでいける。 スーパーおおぞらより、ずっとはやい!! はやく北海道新幹線を!ど…

華陽国志人物伝 王褒

王褒 ☆Data 字:子淵 出身:犍為郡資中*1 時代:前漢(宣帝頃) ☆Life Story 文章の才能によって、宣帝のもとに侍した。 はじめ、益州刺史王襄のために『楽職中和頌』を作った。 (刺史がすごい奴がいると上表したため*2)宣帝に徴用され、『聖主得賢臣頌』…

華陽国志人物伝 司馬相如

司馬相如 ☆Data 字:長卿 出身:蜀郡成都 時代:前漢(武帝頃) ☆Life Story 都に遊学した。文章を作るのに優れており、無署名で「子虚賦」を著した。 武帝はこれを読んで言った。 「私はこの人と同じ世の人でないことが悔やまれる」*1 楊得意という人が答え…

華陽国志人物伝 張寛

困った時の華陽国志。久々に華陽国志人物伝です。 張寛 ☆Data 字:叔文 出身:蜀郡成都 時代:前漢(景帝〜武帝頃) ☆Life Story 蜀郡は秦の後を承け、文徳を備えた人が少なかった*1。 そこで、蜀郡太守の文翁*2は張寛を都の博士のもとにやって学ばせた。張…